日本一周旅行前編⑫
8/2
本日はテントからのスタートです。
明るくなったらこんなとこにテントを張っていたことが判明しました。蚊がすごい。
早く起きてしまって、海がすぐそこで小高い展望台があったので行ってみました。
ちょうど日が昇ってきたのが見えて思わぬ絶景を見れました。日本海側なので本来なら角度的に見えないんですけど、この若干湾になっている部分では陸の方に綺麗に太陽を見ることができました。
思わぬ景色を後にし駅まで少し歩いて向かいます。
㊻大糸線(糸魚川~松本)
6時ちょうど発の南小谷行きの列車に乗ります。JR西の区間になっていまして少し不自然さがあります。大糸線はこの先白馬や信濃大町などそこそこ需要のある町を通るのですが、そのあたりは全てJR東の管轄となっています。何故か南小谷から先の不採算区間だけがJR西の管轄になり、あとは東になりました。このままの状況では正直南小谷から先はなくなってもおかしくないんですが、なんとか糸魚川連絡の役割を維持しています。信濃大町と糸魚川を結ぶことから大糸線なのですが、JRの二つの地名を冠す路線はだいたいの場合音読みをすることが多く、大糸線と米坂線のみ音読みの路線となっています。
列車が発車するとまずは姫川沿いに八駅を一時間半かけて進み、南小谷に到着です。以前逆側から大糸線に来た時、ここの乗り換えで雪国に来たなと感じたのを覚えています。
ここからはJR東の電車に乗って先を進みます。ここからの区間が電化されていることで、ここからの区間の重要性がわかります。右手にいかにもスキー場のような山肌を見ながら数駅進むと白馬に到着です。ここはリゾート地として栄えており、定期的列車でもあずさが来ることろです。オンシーズンには臨時列車も運行されます。白馬を出てもスキー場やキャンプ場が多くありますが、徐々に並行していた姫川が細くなっていきやがてどっかに逸れていってしまいます。逸れたと思ったら湖が見えてきます。ここから先はいくつか湖のそばを通るのですが、そこもリゾート化されているので面白いです。車窓から確認できたのは僅かだったとは思います。そんな区間を各駅に止まりながら進んでいくと一時間程度で信濃大町に到着です。自ら大きな町と言っているだけあり、この辺りでも有数の町です。この町にの西側にある山々の方は立山黒部アルペンルートを形成する部分にもなっておりまして、長野県の広大さが見て取れるようなところです。すぐそこが富山県だというのは少し想像しずらい感じもします。本来ならばここでそちらの方面に行きたかったのですが、しばらくは切符の指示通り進むことにします。
大町からは高瀬川の隣を松本まで行くことになります。このあたりは沿線に町が絶えないような区間でありまして、列車輸送の適性があると言えます。松本に近づくにつれて徐々にその町が大きくなってきます。しばらく行くと左手から長野方面から来た篠ノ井線と合流します。その後大糸線側だけにホームのある北松本に停まった後、松本に到着です。この路線は周りが観光地だらけなことと臨時列車も度々走っているので、またお世話になるだろうなと思います。
松本では一旦改札を出て松本城を見物しに行きます。
時間的に城の中には入れませんでしたが、適度な雲と青空、それと城が水面に写っていてなかなかよい写真が撮れたと思います。これだけでも松本に結構満足しました。
ここから駅前の蕎麦屋まで歩きまして蕎麦を食います。
長野と言ったらそばです。イイダヤというお店老舗の蕎麦屋がやっている店でいただきました。この店は安いのに信州の上質な蕎麦を食べることができるのでお勧めです。この辺りの名物でもある山賊焼きもあるのでそちらもオススメです。松本に来ると毎回ここで蕎麦を食べるのですが、この値段でこの蕎麦を食べてしまうと東京で蕎麦を食った時に違和感すら覚えます。そのくらいうまい店だと思います。皆さんも松本に行った際は是非行ってみてください。そもそもこの辺の蕎麦屋のレベルが軒並み高いのかもしれないということも一応言っておきます。
長野県には中央線でしょっちゅう訪れているので今回の長野観光はこのくらいにしておいて先に進みます。
㊼篠ノ井線、信越本線(松本~篠ノ井~長野)
ここからは篠ノ井線の普通列車にて長野へと向かっていきます。篠ノ井線は信越本線と大変つながりが深い路線ですし、今回の乗車区間にも含まれているので併せて説明します。篠ノ井線は当時先に完成していた信越本線と建設途中だった中央線本線、主に中央東線との連絡を目的に作られた路線です。当初は中央東線の本線として配属されましたが、中央本線が塩尻から西に延伸するとそちらが本線になり篠ノ井線は中央線の支線的扱いになりました。その後篠ノ井線として一つの独立した路線となりました。しかしその後も中央線の東西両方向からの直通列車があるなど、中央線の支線的な役割を大いに果たしています。関東の方はあずさが走っているので、特に中央線が松本終点だと思われがちですが、実は塩尻から篠ノ井線が始まっています。そして西側のワイドビューしなのの場合、篠ノ井から先は信越本線へと路線が変わっていますが、現在は信越本線の篠ノ井以南の区間は別路線へと置き換わったので、路線の形態的にはずっと続いている一つの路線に見えます。しかし旧信越本線であるしなの鉄道線も篠ノ井からは信越本線乗り入れしっかりその役割を果たしています。これまで長々と信越本線がなくなったかのように書いてきましたが、実態はほとんどの区間が三セク移管されて今も運行されています。しかし横川~軽井沢の峠越えの区間のみですが、廃止区間となっています。鉄道というインフラの都合上、一か所が不通になってしまうと大きな輸送の妨げになるので、事実上この路線は都市間輸送の役割を終えたということもできます。しかし現代においては旅客輸送の面ならば、平行している道路でのバス輸送などで補完することもできるので完全に役割を終えたとも言い難いです。しかし貨物輸送など物資の大量輸送の面で見るとこれは致命的で、この区間廃止によって不可能になりました。もともとは日本海側の物資を東京へ運ぶ資材運搬線として建設された路線なだけに、今は地域輸送で余生を過ごしているように見えます。しかし当のしなの鉄道は新車両も導入するくらいで結構活発です。今一度鉄道の在り方に注目して勉強してみるのも面白いと思います。
前回の記事と同じことを書いてしまった部分もあるかもしれませんが、補足の情報として書いておきました。
そんなこんなでまずは篠ノ井線です。この路線はほとんどがトンネル区間になっていますが、途中で日本三大車窓にもなっている姥捨の山際を走ります。私はこの区間に何度も乗車しているので、特に写真を撮ることはしなかったのですが、今思うと記録用にとっておけばよかったなと思います。
姥捨の山際を徐々に下っていくとそのうちしなの鉄道線が左手から合流してきて篠ノ井に到着です。篠ノ井からはこの篠ノ井線としなの鉄道線双方とも信越本線に乗り入れ長野まで進んでいきます。この辺は駅数のわりに時間がかかるようなところになっていますが、普通列車だと一時間半弱、特急だと50分ほどで走破します。長野からは北陸新幹線の並行在来線として分離された信越本線のもう一つの区間である、しなの鉄道北しなの線が直江津まで出ています。事実上篠ノ井線、信越本線のターミナルは長野が代表みたいになっています。しかし地図をよく見ると軽井沢から直江津までの信越本線が全体で三セクに移管されず、長野から篠ノ井だけ取り残されているのに違和感を覚えるのではないでしょうか。普通に考えればここも移管するのが当たり前のような気がしますが、並行在来線の定義は微妙でJRが欲しがる部分は分離しないのが基本です。篠ノ井線からの信越本線というルートをJRが持っているために自己都合で儲からない区間だけを分離したように見えます。これはしなの鉄道もわかっており、ここの区間を移管してほしいと協議したこともありました。しかしこの区間は先ほど述べたように篠ノ井線経由で貨物列車や特急列車がバンバン乗り入れてくる区間であり、他の区間とは少し違うような管理が求められるみたいです。そうなると三セクにここを移管した場合に特急や貨物の線路使用料を計算に入れたとしても赤字になってしまうという試算がなされ、現状が一番ということになったみたいです。マニア的にはここも三セクにして軽井沢から直江津までの信越本線の再統一を見てみたいですし、観光列車なども増えるだろうと思いますがこの話を聞くとあり得ないなと再認識します。
切符の指定ルートでは長野からは北陸新幹線にて高崎に向かう指示なのですが、今回は補完計画で乗車しなかった中でも長い区間である部分を乗りに行きます。
長野駅東口のバス停から出る13時発のバスに乗ります。あまり長野駅周辺をちゃんと観光したことがないので、善行寺など行ってみたかったのですがそれは長電をまた乗りに来た時にしようかなと思い今回はパスしました。
今回乗るバスはアルピコ交通の特急バスです。このバスは長野から信濃大町を経由して立山黒部アルペンルートの玄関口である扇沢までを結んでいます。先ほどとった信濃大町に戻り富山に行こうという算段です。切符の指定ルートや日程を熟考した末にこのパターンが一番効率が良いという結論に至りました。地図で見てもらうとわかるのですが、松本で折り返すように路線を乗り継いでいるので、長野と信濃大町はそれほど遠くないことがわかります。一時間弱はしると途中信濃大町を経由して山の中に入っていきます。再び一時間弱ほど走ると扇沢に到着です。途中土砂崩れによる片側交互通行がありましたが、大きな遅れなく到着しました。ここから再びバスに乗り継ぎます。
お次は少し前まで日本で唯一トロリーバスが走っていた区間である関電トンネル電気バスに乗ります。トロリーバスというのは架線から電気をもらい走るバスのことで、運転には一応鉄道関連の資格が必要らしいのですが、ほとんどバスです。しかし現在は充電式のバスに置き換わったみたですが、充電は架線で行っていましたのでその名残を感じました。そんなバスでトンネルを15分ほど進み続けると終点の黒部ダムにつくのですが、このトンネルがなんとも男心をくすぐるような通路になっていまして、途中で何個も分かれ道やバスどうしの行き違い施設などありました。実際対向バスの対比を何度か行いました。この通路を利用して資材運搬をおこなっている風景を考えると胸アツです。終点のバス停からは少し歩くと突然開けた場所にでてダムが現れます。四方を山に囲まれていて非常に景色がよいです。
第11県目:富山県
曇り空でしたが自撮りです。レストハウスなどもあったのですが、今回の乗車ではアルペンルートの終電を利用しているので、次の乗り換えに乗り遅れるわけにいかずゆっくり見ることはせず先を急ぎました。
乗換と呼ぶには少々遠いようなところですが、再び山を貫くトンネルを少し歩きケーブルカーの黒部湖駅に向かいました。
この辺りはガチ登山客がちらほらいるようなところで、実際に外国人の登山用のピックを持った兄貴が一名乗っていました。このケーブルカーは五分ほどで終点の黒部平に到着します。動画を撮るために他のお客さんの下車を少し待っていると先ほどの外国人の登山兄貴がここは室堂かと英語で聞いてきたので、室堂へはここから乗り換えが必要だと案内すると微妙なリアクションでしたが理解した様子で先に向かっていきました。私も動画をほどほどにして登山兄貴がちゃんと乗り換えできるか見守ります。今思うと室堂へ私も行くので一緒に行ってあげればよかったですが、下手にいろいろ教えなくても係員が結構丁寧にそこらじゅうで案内していたので大丈夫だろうなと思いました。
黒部平からはロープウェイで先に進みます。山間を乗り継いで進んでいく感じは箱根に似ているなと思いましたが、こちらは温泉地ではなくダムがメインであることがマニアックな雰囲気を醸し出しています。このロープウェイは結構景色がよく、登山兄貴もGoProで動画や写真を撮っていました。10分弱で終着の大観峰につきます。ここはアルペンルートの中でもかなり高い場所で景色が非常に良い場所です。しかし乗り換えの都合上、素通りして先を急ぎます。
ロープウェイの駅から歩いて再び地下に潜っていくと立山トンネルトロリーバスの駅がありました。関電トンネルトロリーバスが唯一のトロリーバスだと聞いていたのですが、目の前にもあります。トロリーバスが全廃されたような話だったのですが、まだ生き残っているではありませんか。アルペンルートが唯一のトロリーバスが運行されている場所というだけで、聞き間違いだったのでしょうか。ちょっとわかりませんが立山トンネルトロリーバスにて10分ほど進みます。しっかり登山兄貴が乗っていることも確認しました。しばらく迷路のようになっているトンネルを進むと終点の室堂に到着しました。
室堂は登山の拠点になるような場所でもありまして、ホテルなどもたくさんあるところです。バスの切符売り場も屋上に出られるようになっていたり、大きな施設です。登山兄貴も無事に知人と合流できたようで何よりです。ここでやっと20分ほどの時間があったので、切符を買って後売店でダムが書かれたマグネットを買いました。まだ時間があったので屋上に行ってみると外に出られるようになっていたので、あるって見て写真を撮りました。
ここまでくるとここに泊まるか富山に帰るであろう一般客もちらほらいました。これは登山道に続く道でしょうか。
あたり一面山に囲まれていてなんだかスイスに来たような感じです。
曇は多めでしたが、雰囲気はよかったです。もうちょっと湖の側でも写真を撮っておけばよかったですね。ここまで来てしまうとトンネルで山をまるまる一つ越えたので湖は一ミリも見えませんでした。
折角なのでiphoneの機能でワイドに撮ってみましたが、投稿サイズの関係で切り取りました。立派な山々です。
ここからは立山高原登山バスにて50分ほどかけて美女平まで降りていきます。車内では冬場は雪の壁が数メートルになるとの紹介がビデオで流れていました。アナログテレビみたいな形をしていて昔からほとんど変わっていないみたいです。今は夏場なので雪はありませんでしたが、山を下るにつれ霧が立ち込めてきて景色がほとんど見えなくなりました。ここはゆっくり休んで下りきるのを待ちました。
終点の美女平に着いたとこで目が覚めました。このバスは途中駅がいくつかあったみたいですが、寝てる間に過ぎてしまいました。
ここからは再びケーブルカーによって立山駅を目指します。10分弱山の中を進んでいくと終点の立山駅に到着しました。この駅でようやく富山地方鉄道という普通鉄道に乗り換えることができます。
ここでまだ日が残っていたので写真を撮りに近くの撮影スポットまで歩きました。
列車を待つこと数十分するとようやくやって来ました。
グリーンビュー立山という古風な温泉旅館と山々をバックに橋を渡る列車です。実はこれ後追いの形での撮影になっていまして、撮った後これに乗るために急いで駅に向かいました。時間的にしこまでタイトではなかったのですが、荷物が結構多めなのでちょっと小走りで丁度列車に間に合いました。
ぶっつけ本番でしたが、ぼちぼちの写真が撮れて満足しながら列車は富山の市街に向けて進んでいきます。ここからはブラックラーメンを食べに地鉄を乗り継いできます。
営業時間とブラックーラーメンに必須の白ご飯を提供している店を探すとおのずとラーメン大喜の本店にたどり着きました。西町という路面電車の駅が最寄で二回ほど列車を乗り継ぎ到着しました。
有名人のサインが飾ってありその知名度がわかります。
食券を購入するのですが、閉店間際に来てしまったせいか白ご飯が売り切れでした。これは富山に一つリベンジ要素を残すことになったなと思いました。
待っていると漆黒のラーメンが来ました。もともとブラックラーメンはパワーの必要な労働者のために濃い味付けがなされているようで、これを食べて明日も頑張ろうと思い食べました。ブラックラーメンというと塩っ辛いというイメージだと思います。実際そうなのですが、ここのお店は分かりかし食べやすいことで有名で白ご飯がなくてもおいしくいただくことができました。
ラーメンを食べおり宿に向かうのですが、函館以来の路面電車が走っている町に来たのでどうせなら撮影でもしようかなと交差点の道端で写真を撮りました。
いきなり新しい車両がいました。富山は路面電車が大成功していて、最近もJRを境に南北で分断されていた路線を結合する工事が完了したりと盛んな路線です。全国で都市交通のモデルされることも少なくありません。
調子に乗って流し撮りしてみました。本数が多く練習にはもってこいです。
これが一番よく止まったかなと思うショットです。長編成はまだまだ練習が必要でした。何やら黒塗りの高級電車も来ました。
尻尾まで入りませんでしたがまぁまぁ止まっていると思います。
信号で止まることもあるので普通にバルブでもいいのですが普通にぶれてしまいました。
ここで長々と撮影していると女性の方から何を撮影しているのかと声をかけられました。こんな道端で撮って迷惑になってるのかと思いましたが、そうではなく路面電車を撮っている人は珍しく声をかけていただいたみたいです。そりゃこんな時間に列車を撮る人間はなかなかいないでしょうけれども、トラム鉄の方は珍しいみたいですね。日本一周中の話などすると感銘を受けたみたいでした。買い物帰りだったのでお子さんと姿を重ねたのかもしれません。今回の旅行のように目的のために体を張って少し無茶なくらいに動いていくことは学生のうちぐらいしかできませんから、その方からすれば私の姿は青春そのものだったのかもしれません。長々と話していると宗教の勧誘が寄ってきて話しかけてきました。二人して興味ないですとその勧誘を追い払ったのは思い返すと面白い場面でした。最初はその方すら宗教の勧誘だと思ったのですが、まさか本当に勧誘が来るとは思ってもいませんでした。あまりお時間を頂いても悪いので一通り話た後、お別れをてお互い別々の方向へと歩きだしました。
近くの路面電車の電停に来た電車に乗って南富山の駅まで行きました。
南富山は路面電車のターミナルになっているので終電後の電車を見ることができました。
以前この近くの銭湯みたいなところで夜を明かした記憶が蘇りなつかしさに浸りながら快活クラブまで歩きました。徒歩15分ほどで着くのでわりかし近い部類に入りますが、路面電車は始発があまり早くないためどうしても富山駅付近に泊まりたくなりますが、今回は南富山で妥協しました。
富山をたっぷり満喫して一日を終えました。明日も少し富山を見てから先に進んでいきます。