鉄道巡検・旅行録

鉄道巡検録と鉄道旅行録を掲載します。

日本一周旅行前編③

今回は前回の続きの7/23からスタートです。➁を読んでいない方はそちらから読むか、目次から7/24まで飛ぶと分かり易いと思います。

 

タクシーから定刻で発車する空港行きバスを万感の思いで眺めているところに運転手がここからどこへ行きます?と聞いてきました。

そういえば自分が乗り遅れたときどうするか決まってなかったなと思いながら、この辺で安い宿はないか聞いてみました。この辺では安宿はなく一番安いところでも東横インなどのレベルになってしまうとのことで、自分の調査でもその通りでした。

今回初めて持ってきたテントが早速活躍するかなと考え、近くにキャンプ場があるか聞いてみました。市街にはないが少し離れたとこならあると回答を頂きまして、とりあえずそこまでお願いしました。調査通りでは網走の一駅隣駅から近かったので列車で行こうかなとも思いましたが、駅からは結構遠いとのことだったのでまぁタクシーに行ってもらうことにしました。よく考えれば駅で一旦降ろしてもらって歩いて行けばよかったと後悔しつつも、戻ってくださいとは言えないのでキャンプ場で降りることになりました。

レンタカーの店舗から駅までの送迎は本来無料なので、その差額をご丁寧に引いていただいた額を支払いました。車内で日本一周の話などしておしゃべりできたのでまぁ良いとしましょう。キャンプ場には結構人がいたので明日朝、初めてのヒッチハイクに挑戦しようとA4の裏紙を貰ってタクシーを見送りました。

結構本格的なキャンプ場でBBQをしている家族などもいました。そんな中アマゾンで2000円で買ったテントを張ってみました。

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思ってたより立派ですが背丈が低く、寝るくらいしかできないかんという印象でした。でもこれが2000円なら安いなと考え、一回でも宿代浮かしてくれれば御の字だとか思いながら休みました。

 

7/24

この日もあんまり寝ることはできませんでした。寝心地はそれほど悪くなかったですが、ぐっすり熟睡できるほどではありませんでした。寝れない間SNSでやりとりしてたこともあり、ウキウキで予定の時間よりも早くテントを撤収し歩いて網走駅へと向かいました。やっぱり行きも歩くべきだったな~と思いつつ、日もまだ出ていない湖畔を一時間ほど歩きました。北海道では積雪や濃霧がある関係上道路の端がわかるように光る矢印が設置されています。

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光る矢印とオレンジに染まる空を見ながら延々と歩きます。

沖縄の時に写真に写っていたと思いますが、今回はキャリーバッグとリュックの2wayのカバンを新調していました。このカバンがキャリーモードの時の持ち手がカブトムシの角みたいだったので友人にカブトムシと命名していただきました。今後はカブトムシ君と書かせていただきますが、カブトムシ君の活躍により一時間くらいの徒歩は全然苦になりませんでした。新しい道具が大活躍しました。

ウキウキで早く駅につきすぎてまだ待合室が空いてなかったので、近くのすき家で朝飯を食べ時間をつぶしました。これは完全に調子乗っちゃってます。旅行終盤の自分を見せてあげたいです。

それでも暇だったので駅で写真を撮りました。

f:id:Banksisland404:20210928092915j:plain縦書きの看板には横道にそれないようにとの想いがあったみたいです。これは納得。

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駅の外にこんなものがあったので自撮りしました。

今回から顔を隠すなら自撮りの意味がないという問題を解決すべく胸ポケにトレードマークをつけることにしました。実験的にメタナイトのヘアピンを切符落下防止を兼ねてつけました。なのに写ってないという失敗作です。

しばらくすると始発の改札が始まりましたが、乗る列車は何本かあとの列車なので待合室でうたたねしていました。

起きると既に改札の前に列ができていました。焦って並びましたが結構改札の開始まで待ちました。都会の人には改札のために待つということが想像に難しいと思いますが、田舎ではよくあることです。出発の数十分前にならないと改札が始まらないのでみんな待合室や改札の前で待機するのです。ここからついに孤独な旅が始まります。

 

釧網本線(網走~東釧路~釧路)

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釧網本線は網走から東釧路を結ぶ路線です。現在の起点は東釧路になっていますが、一昔前は網走が起点になっており、列車番号などにその名残があります。東釧路から先は根室本線乗り入れ釧路へ向かいます。

網走から札弦までの区間は網走本線として建設されました。釧路側から進められていた釧網本線と網走本線が繋がった際、釧網本線に網走本線が編入される形になりました。これにより網走本線は網走が網走が終点になり、釧網本線は現在の区間になりました。

網走本線については、その後の石北本線の開業によりまたもや編入が行われ網走から北見までの区間が削られ石北本線で紹介した形になったのでした。

網走駅を出てしばらく走り、網走市街を抜けるとオホーツク海に沿うように走ります。

ここから知床斜里までの区間は昨日車で走ったルートを重なるのでそれに思いをはせながら進みます。

途中の北浜には停車場と呼ばれる有名な喫茶店があります。ここは釧網本線オホーツク海に最も近づく地点でもあり、冬場は車窓からも流氷が見える区間です。

そのような区間を抜けるまたしばらく海沿いを走りまして知床斜里につきます。

この駅はもともと斜里駅という駅名だったのですが、知床が世界遺産に登録されたタイミングで知床観光の拠点になるということで駅名を変えました。実際ここでレンタカーを借りる案があったのですが、列車の乗り継ぎがうまくいかなかったので網走で借りることになりました。

知床斜里からはかつて斜里線と呼ばれるウトロ方面に伸びる簡易鉄道や標津町方面に伸びるはずだった根北線の一部区間など運行されていました。

知床斜里を出ると線路はぐにゃっと曲がり海沿いを離れ南下するようになります。

斜里岳を左に見ながら摩周駅のある弟子屈町を目指して山間を進みます。

この辺りは防雪のための鉄道林がびっしりでなかなか車窓を見ることが難しいです。

しばらくすると摩周に到着。この駅はもともと弟子屈駅だったらしいのですが、有名な摩周湖にちなんだ名前に変えることによって観光に活かそうということだそうです。

摩周駅を出ると車窓から牧場のようなものが見えたと思うと小岩井で有名な磯分内に停車。

磯分内を出ますと何やら車窓には一面の緑色の畑が広がります。

おそらく砂糖大根だと思われます。いわゆるテンサイってやつです。

そうこうしていると標茶につきます。ここはかつて中標津を経て標津町に至る標津線が分岐していた駅です。照り付ける太陽の中列車は颯爽と発車します。

標茶を出るとまもなく茅沼に到着です。茅沼からは車窓の西側に釧路湿原が見えるようになります。列車の車窓から見るには茅沼からの区間がもっともいい景色です。

良い景色を見ながらしばらくすると塘路につきます。

この辺までの区間でいくつかの列車とすれ違いましたが駅は忘れてしまったのでこの辺で紹介しておきます。

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まずルパン列車です。網走行なので監獄と絡めて面白い列車ですが行き先がこの写真からは見えないのがもったいないです。

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しれとこ摩周号です。駅を結構飛ばしますが所要時間は少し早くなる程度です。気持ち的にはだいぶ早く感じます。

塘路は観光列車である釧路湿原ノロッコ号の終着駅です。

観光列車はなぜか一番景色の良い区間を走りません。おそらくダイヤ上の制約があるものだと思われます。塘路を出ると湿原は見えるのですが鉄道林がちょくちょく邪魔をしてくるようになります。何駅か進むと釧路湿原駅に着きます。下車して湿原を見るならここが一番最適なのでしょうか。

そうこうしているうちに列車は根室本線との合流地点である東釧路につきました。

東釧路を通るすべての列車は釧路まで乗り入れます。

東釧路は快活クラブの最寄り駅だったのでお世話になったことがあります。

東釧路を出ると間もなく終着の釧路につきました。釧路駅は当時の国鉄が駅舎を作る際、地元の方がお金を出す代わりに駅舎の中にお店を出さてもらう民衆駅として作られたことで有名です。現在でも当時の形をそのまま見ることができます。

 

釧路で下車をすると即座に公衆浴場に向けて歩き出しました。

一昨日から風呂に入るチャンスをことごとく逃していたのでここでまとまった時間があったので入ることができました。しかし地図でみた感じよりも駅から離れていて時間がかかってしまったので、満足に入ることはできませんでした。それでもさっぱりしたのでよい気持ちで再び釧路駅に戻ります。

予定に余裕がありノロッコ号に乗るか根室に行くか様々選択肢があったのですが、今回は18切符を使い根室を訪れることにしました。

 

根室本線(根室~帯広~柏林台)

根室本線は滝川から釧路を経由し根室にたる路線で、これから乗る釧路から根室区間は特に花咲線と呼ばれています。これは釧路で運行形態が完全に分離されているため別路線として愛称で案内したほうがわかりやすいからです。根室本線は北海道を横切るような路線で、道内最長路線でもあります。当初は道央と道東を結ぶ一大幹線でしたが、今や様々な区間で短絡線が建設されメインルートから外れた区間が多く存在します。

花咲線は特に短絡線が建設されたわけではないのですが、線路が曲がりくねっていてそう度が遅いことや沿線の街の衰退により存在が危ぶまれるまでに需要が衰退しました。それを表すように釧路から根室までの沿線には市レベルの街が存在しないので、観光に力をいれ路線が存続できるように取り組みがなされています。

乗った列車は快速ノサップ号で最初は東釧路に停まります。下り列車の快速はなさきは東釧路には止まらないので注意が必要です。釧路市の市街を抜けるとしばらくは釧路町の市街進みます。釧路町は歴史的な経緯から釧路市から分離された経緯があります。昔は北海道に区という地域区分が存在していました。区になるには面積の何パーセントだか以上の領域で高い人口密度を誇る必要がありました。そこで釧路市は人口密度が基準に満ちていない地域を切り離すことにより区に昇格しようとしました。これによって釧路市から見捨てられた釧路町が生まれたわけですが、今はイオンや大きなショピングモールが釧路町にでき活発になってきたこで立場が逆転しつあります。上尾幌に停まると普通列車でも止まらないパターンがある駅を通過していきます。

線路はくねくねですが意外と列車には速度感がありました。保線はお世辞にも良いとは言えないので結構揺れますが、観光で乗るにはそれも風情というものです。と思うといきなり列車の警笛がなりました。

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鹿と衝突したみたいです。正面衝突ではなかったみたいだったので、安全確認で少し時間を要しましたがすぐに運行を開始しました。この路線はエゾシカとの衝突が非常に多く、警笛が鹿避け専用のものに改造されているほどです。

しばらく走ると愛冠岬などそこそこ良い景色を眺めながら厚岸につきます。

この愛冠岬はその読み方ゆえ特定の人たちに人気のある観光地です。

厚岸でそこそこの鉄道マニアが下車していきました。ここは昔標津方面への支線が分岐していた駅でもあり観光資源も豊富で大き目の駅です。

厚岸を出るとしばらくのっぱらを走ります。

海に近いのですがあまり海の見える区間は多くありません。

しばらく走ると落石に到着です。この周辺も観光資源が少しあるのですが、駅から遠いので降りる人は全然いませんでした。

落石を過ぎると徐々に地盤が沼っぽくなってきます。根室のある半島はその地盤ゆえ鉄道を引くのにかなり難儀した地域でもあります。北海道拓殖鉄道という軽便鉄道がかつて存在したのですが、なかなか経営がうまくいかずそうそうに廃止になりました。

そんな地域を抜けると最東端の駅である東根室を通過します。最東端の駅は終点の根室ではなくひとつ前の東根室なのです。これはこの区間の線形がU字になっていることが由来で、そのいちばんくぼんだ所に東根室があります。

このあたりにかつては愛称の由来になった花咲駅があったのですが、廃止されました。皮肉にも花咲駅は花咲線で一番最初に廃止された駅です。

東根室を過ぎるとすぐ根室に到着です。日本で最初に太陽が昇る街とあります。確かにこの規模の街はここより東側にないですが、留別村などここより先に日が昇る村はあります。択捉群留別村です。ここから東根室までタクシーで移動したのですが、その車内で北方領土があるために花咲線は廃止されることはないと聞きました。観光地でタクシー移動をすると現地の人しか知らない知識をしれるので単なる移動より価値があると思います。次の折り返しの列車に乗るためにタクシーで移動したということが多いのですが。

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字がまがまがしい看板の前で自撮りしました。根室は降りたことあるのですが、東根室はなかったのでここに来るのが目的でした。東根室駅の周りは思っていたより何もなく停留所という雰囲気で、根室駅のほうがグッズは多かったです。なんなら東根室グッズも置いてあったので、最東端を巡礼したい方は行きか帰りで東根室に停まる列車に乗りわずかな停車時間で写真を撮るほうがオススネです。それだとこの看板まではいけませんが別の看板でとれるチャンスがあると思います。根室からは納沙布岬など行きたいところが様々あったのですが。時間の関係上そうそうに折り返しました。

 

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折り返してくる列車を撮れましたが、面強めの構図になってしまいました。

まぁいいかと思いホームの中ほどまで小走りでいきます。このようにホームの端っこで写真を撮る場合、ゆっくりしていると中ほどしか止まらない列車に乗り遅れるかもしれないので注意です。

ここからは根室本線をずーっと行く形になるので、花咲線というよりよくある根室本線の分割運転にという雰囲気を個人的に感じました。

先ほどと同じような車窓を普通列車でゆっくり眺めていると時期に釧路につきました。

釧路には工業や漁業などの産業がそこそこあり、根室から出張をする人もおおいようです。北海道が日本の食料自給率アップにどれだけ寄与しているのか気になります。

釧路からは幹線という雰囲気が強くなります。札幌へ行く特急列車結構な頻度で発着しているので結構な規模の街です。ここからは特急列車の乗り換えます。

特急おおぞら号です。乗り継ぎ時間はさほど長くなかったので、飲み物を補給して乗り込みます。

釧路を出るとしばらくは太平洋沿岸を進みます。白糠などの街えおすぎると徐々に線路はくねくね曲がっていきます。枕木の改良などで高速化されているものの、線形が悪く最高速度で走れる区間はさほどないみたいです。

廃駅などを見ながら山を越えるとしばらくして帯広に到着します。

帯広も道内有数の街で結構発展しているところです。帯広からは普通列車に乗り換え一駅進み柏林台で降ります。

帯広の街は結構発展していて、バスの本数も多いみたいです。ここからバスで数分行った後白樺通りに面したところで降りました。そこから10分ほど歩き到着したのは帯広競馬場です。

 

帯広競馬場は一度行ってみたかったところです。ここは世界で唯一ばんえい競馬を開催しているところだからです。ばんえい競馬とは騎手が馬の上に乗るのではなく、馬にそりを引かせてその上に人が乗るという形態の競馬です。競馬の発祥はイギリスなのですが形式としてはばんえい競争が起源になっているので、ここは競馬の歴史を感じられる貴重な場所なのです。馬の競争に軍事目的が付随するなど競馬の発展とともに、騎乗するスタイルがメインになりました。今でも速さを重要としない旅客輸送や貨物輸送では馬車を使うことが通例だと思います。

いわゆる地方競馬はナイターにメインをすることが多く、この日もそうでした。

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こんな感じでそりが用意されています。

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パドックの段階では上に乗っているみたいです。徐々に暗くなってきましたので、一回馬券をい買いに行きました。

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意図せず男女が映りこんでしまいましたが、なんかいい雰囲気です。肝心の馬券はあたれば予算が圧倒的に増えるような大博打に出た夢のある馬券を買いました。予算の都合では結構な額をかけてしまいましたが当たれば問題ないです。

この日は「結婚するのか俺以外の奴と杯」が開催されていました。地方競馬ではお金を一定の額納めると協賛としてレース名を決められるというシステムがあります。この日はたまたま誰かが協賛としてレース名を決めたのだと思います。

そしてメインレースはユリウス特別です。

まずは結婚するのか俺以外の奴と杯です。

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コースは直線の200mで山が3つほどあります。山を越える瞬間は結構迫力hがあるとともに、パワーが要求されるみたいです。一般的なサラブレッドよりムキムキなのがわかります。そしてこの競馬は荒れることで有名なのです。結果はというと外れました。

そして次はメインのユリウス特別です。

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なかなか迫力はあります。

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みんな頑張っていますが、坂を超えたところで止まってしまう馬などいまして最後までわかりません。

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結果はというとまたもや外れてしまいました。二頭のうち一頭は来たのですが、もう一頭は来ず無念です。

しかし競馬の歴史を感じれたことはかなり価値があります。帯広競馬は存続問題が度々議論されるくらいに儲かっていないようです。実際に廃止になりかけたこともあるみたいで、なくなる前に一度言っておいた方がいいというレベルであると思います。まだまだ競馬が続くよういろいろ試してほしいとは思いますが、自治体の運営なので赤字のまま延々と続けるわけにはいきません。人生のうちに一回でもここにこれとはいい経験ににったと思いました。

 

競馬場からは15分ほど歩き、ジョイカフェというインターネットカフェという場所に宿泊しました。その途中で空いていたラーメン屋で飯を食いました。

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味の時計台です。一応全国にある店ですが現地で食べる味噌ラーメンは気分が違います。この時間に空いてる店は貴重だったので食べれてよかったです。

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これは朝に撮った写真ですが、結構大きく居心地がよかったです。数日ぶりに屋内でもあったので安堵感もありぐっすり眠りました。

 

今回のパートはここまでとします。丁寧にやりすぎて時間がたちすぎるといろいろ思い出すのが大変になるので、少し巻きで書いていきたいと思います。